Analysis & Evaluation SectionCase Study
事例紹介リチウムイオン電池分野-7
大気非暴露XPSを用いた負極の構造解析
大気非暴露下で正極、負極のSEI(Solid Electrolyte Interface)や
活物質の構造を元素レベルで解析可能。
大気非暴露XPSの特徴

負極充放電後のXPS状態分析、デプスプロファイル

まとめ
- 充電状態の最表面はLiF、Li2CO3で形成されており、SEI層はLiO,Li2CO3を主体とする。
また活物質はLi-Cが富裕である。 - 放電状態の最表面はLi2CO3富裕である。SEI層は充電状態と同様にLiO、Li2CO3を主体とするが、Li2CO3が富裕である。活物質は充電状態とは異なり、グラファイトに由来するC-Cを主体とする。
大気非暴露TOF-SIMSを用いた負極の構造解析
大気非暴露下で正極、負極のSEI層や活物質の構造、
微量成分の挙動を高感度に解析可能。
大気非暴露TOF-SIMSの特徴

負極充放電後のTOF-SIMS解析

まとめ
- XPSでは検出されなかったNa、K、Niが検出された。(微量成分も検出可能)
- XPSでは強度が弱く解析出来なかったPは、リン酸類、Liフッ化物等として存在する。
- 充電状態の最表面はLiF、LiPF等のフッ化物が富裕である。
- 放電状態の最表面はLiCO3、LiO2等の炭酸塩、酸化物が富裕である。
大気非暴露FE-AESを用いた負極解析
大気非暴露FE-AESにより、負極(初期・放電状態)の任意箇所の点分析、
状態解析、深さ方向分析及びFIB断面におけるLi、O等の元素マッピングを実施。
装置概要

負極(初期)の表面定性結果

負極(初期)深さ方向分析結果

負極(初期)のFIB断面のマッピング分析結果

まとめ
- 表面定性結果:同一粒子内でも元素およびLiの状態が異なる箇所が確認された。
- 深さ方向分析結果:Fは表面から5nmで消失した。またLi、C、Oは表層から100nmまで存在した。
- 断面マッピング結果:グラファイト表層にLiの偏析が確認された。