Analysis & Evaluation SectionCase Study
事例紹介リチウムイオン電池分野-6
大気非暴露FE-SEMを用いた負極の構造解析
大気非暴露下でリチウムイオンの挿入・脱離に伴う
活物質表面の形態変化を詳細に観察可能。
活物質表面の形態変化を詳細に観察可能。
大気非暴露FE-SEMの特徴

負極のFE-SEM観察像

充電状態負極のEDX分析、元素マッピング像

まとめ
- 充電によりグラファイト表面の微細な隆起が粗大化した。(Li挿入の影響)
- 添加剤由来と考えられるSが確認された。
- Li塩由来のF、正極溶出成分であるCoが活物質上に均一に存在した。
大気非暴露FIB-SEMを用いた活物質の断面観察
大気非暴露下で正極、負極の断面構造を解析。
負極グラファイト粒子の膨張収縮等の変化を明瞭に観察可能。
負極グラファイト粒子の膨張収縮等の変化を明瞭に観察可能。
大気非暴露FIB-SEMの特徴

正極、負極・活物質のFIB-SEM観察像

まとめ
- 正極のSIM(Scanning Ion Microscopy)像を撮影する事で、活物質の結晶構造を可視化出来る。
- 負極充電状態ではLiの挿入によってグラファイトが膨張し、グラファイト間の隙間が狭くなっていると思われる。
大気非暴露STEMを用いた正極、負極の局所構造解析
大気非暴露下で正極、負極の局所断面構造を解析。
EELS分析によりLiの分布も確認可能。
EELS分析によりLiの分布も確認可能。
大気非暴露STEMの特徴

放電状態正極のSTEM/EDX解析

放電状態負極のSTEM/EDX解析

放電状態正極のSTEM/EELS解析

まとめ
- EDX分析の結果、正極活物質の一部(表層部)にZr、Caの偏析が認められた。また負極活物質内にCoの偏析が確認された。
- EELSマッピングでLiの分布を確認可能。
大気非暴露TEM-EELSを用いた正極の構造解析
初期容量確認試験後(初期)と試験後(25℃サイクル後)の正極板を
大気非暴露下でFIBマイクロサンプリング、構造解析を実施。
大気非暴露下でFIBマイクロサンプリング、構造解析を実施。
表面SEM観察結果

TEM観察結果

EELS分析結果

まとめ
- SEM観察結果
表面形状に水準間で有意差は確認されなかった。 - TEM観察結果
粒子は結晶性を有し、粒子表面のアモルファス層は、2層構造となっている事が確認された。
25℃サイクル後はアモルファス層表層が粗くなり、また膜厚が薄く、2層構造の境目が不鮮明になっていた。 - EELS分析結果
25℃サイクル後はFeのピークシフトが確認され、Oのピークが粒子表層に確認されなかった。
Pはピークシフトが確認されなかった事からLiFePO4のPO4構造は変化せず、FeO6構造の変化が示唆された。